蜂の子を調理する前の下処理

蜂の子は加工品が多く流通していますが、未加工の蜂の子も販売されています。
未加工の蜂の子を自分で調理する際には、しっかりと下処理を行うと味が格段に良くなります。未加工の蜂の子は貴重であり、できるだけ美味しく食べたいものです。
蜂の子を調理する前の下処理の方法をご紹介します。

蜂の子の下処理方法

蜂の巣から蜂の子を取り出す

蜂の子の産地では、巣に入った状態の蜂の子が販売されている場合があります。蜂の巣には、幼虫・サナギ・成虫に近い個体といったさまざまな成長段階の蜂の子が入っています。
蜂の子を巣ごと手に入れた場合は、蜂の子を巣から取り出す必要があります。

巣から蜂の子を取り出す際には、ピンセットを使うと便利です。幼虫は柔らかいため、潰さないようそっと取り出しましょう。
また、白い膜がかかっている巣の小部屋にはサナギが入っています。膜を剥がしてサナギも忘れずに取り出しましょう。

黒い内臓部分がある幼虫を選別する

幼虫・サナギ・成虫に近い個体のうち、下処理が必要なのは幼虫だけです。幼虫は白っぽい半透明で、身体の真ん中に黒い内臓部分があります。
下処理をするために、幼虫をサナギなどの別の個体からより分けましょう。

未加工の蜂の子として販売されているのは、クロスズメバチなどの肉食の蜂です。
そうした蜂の幼虫の食料は主に昆虫であり、幼虫の内臓部分には排泄物や昆虫の殻が含まれています。そのため、内臓部分には苦味とジャリジャリとした食感があり、取り除いたほうが美味しく食べられます。

幼虫の内臓を取り出す

幼虫の内臓を取り出す際には、軽く茹でると処理しやすくなります。火を通さずに内臓を取り出すと内臓のクセが残らないともいわれていますが、幼虫の身体はとても柔らかいため、火を通さずに処理するのは手間がかかります。

茹でてから内臓を取り出す

茹でてから内臓を取り出す場合は、幼虫を鍋に入れて軽く火を通します。茹ですぎてしまうと蜂の子が破裂してしまう場合があるため注意しましょう。幼虫に軽く火が通って白くなったら、お湯から出します。
取り出した幼虫に包丁などで切り込みを入れ、指で押し出すようにして内臓部分を取り出します。ひとつひとつ手作業で行うのは手間がかかりますが、蜂の子を美味しく食べるためには必要な手間です。

よく火を通して内臓を取る方法もある

幼虫をフライパンなどでよく加熱すると、内臓部分が外に飛び出してきます。
茹でてからひとつずつ取り出すのが面倒な場合は、そうした方法で内臓を取り除くのもひとつの手です。

サナギは下処理の必要がない

黒い内臓部分は幼虫だけに存在しており、サナギには内臓部分がありません。
そのため、サナギは下処理をする必要がありません。

サナギから成虫になる際には、一部の神経や呼吸器以外の組織がサナギの内部でドロドロに溶解し、身体の大改造が行われます。そうした際に内臓の内容物があると、身体の変化に悪影響が及びます。
そのため、幼虫はサナギになる前に内臓の中身をすべて排泄します。幼虫は、生涯でサナギになる前の1回しか排泄しません。

蜂の子は下処理してから調理するのがおすすめ

幼虫の内臓部分には、苦味とジャリジャリとした食感があります。その苦味が好きな人も少数いますが、一般的には内臓を取り除いたほうが美味とされています。
未加工の蜂の子は、なかなか手に入らない貴重な食材です。手間はかかりますが、なるべく美味しく食べるためにも、丁寧に下処理してから調理することをおすすめします。